新しく登場したGemini 2.5 Flash Image Preview（Nano Banana）では一貫性を保ったまま様々な編集ができるようなので、画像の解像度を高めるテストをやってみます。
Gemini 2.5 Flash Image Previewの使い方
Google AI Studioで無料で利用できます。
https://aistudio.google.com/
モデルをNano Bananaに切り替えれば準備完了。
元画像
手元にあった画像をドット絵に変換したものです。なんとなく女性がいるかなーぐらいのレベルです。
解像度アップを試す
単純に解像度を高めてと依頼してみます。なお、記事執筆時点では日本語プロンプトだと画像生成してくれないことが多いので、英語プロンプトのほうがおすすめです。
プロンプト： Upscale this image
うーん、ちょっとだけ解像度が高くなったような気がするレベルですね。
そこで次のプロンプトに変更。
プロンプト： This image is then upscaled using super-resolution technology to predict and restore lost detailed textures and patterns.（この画像を、超解像技術により失われた詳細なテクスチャやパターンを予測しアップスケーリングして。）
なぜか顔の部分だけ解像度が高くなったような気が・・・
続けて同じ指示を繰り返してみます。
何回か試しましたが、このプロンプトだとこれ以上は無理みたいです。
そこで次のプロンプトに変更。
プロンプト：Upscale this image using super-resolution technology to predict and restore lost fine textures and patterns. Ensure the outlines become smooth, eliminating jagged edges and stair-stepping artifacts until all aliasing is completely resolved.（この画像を、超解像技術を用いて、失われた微細なテクスチャやパターンを予測・復元するようにアップスケールしてください。輪郭線が滑らかになり、ギザギザしたエッジや階段状のアーティファクトがすべて解消され、エイリアシングが完全になくなるまで処理してください。）
少しマシになりましたが、ギザギザはなくならず人が描いたようなイラストレベルまでは行きませんでした。直接的な画像編集の指示に近いプロンプトだと、生真面目に処理しようとするのか人が持ってるメタ的な解釈までいかないようです。
人が持つイマジネーションを模擬させる
ここで自分が期待しているのは、「人間だったら、このドット絵を見れば人だと認識できて、ドット絵にする前はたぶんこんな感じだったのだろうなと想像して画像を作ってくれる」ことでした。
そこでAIにもそのように指示を出すやり方に変えます。
ドット絵に対して次のようなプロンプトを入れます。
プロンプト： Increase the resolution of this image to a level close to the illustration drawn by the designer.（この画像の解像度をデザイナーが描いたイラストに近いレベルまで上げて。）
すると、服装も雰囲気もそれっぽく作ってくれました。素晴らしい。ヒントだけ与えてあとはAIにお任せするほうが近道なのかもしれません。
さらに実写にしてみる
イラストを参考に実写のイメージに変えてもらいます。究極の高解像度化でしょうか。
プロンプト： Change this illustration into a real-life portrait of a person taken with a camera.（このイラストを、カメラで撮影した人の実写ポートレート写真に変更して。）
ズームアウトしてみる
元のイラストに戻って、今度はズームアウトさせてみます。
プロンプト： zoom out
元の絵に存在してなかった部分は適当に推測して作ってくれます。一貫性が高いですね。
さらに全身を表示するところまでズームアウトします。
プロンプト：Zoom out so you can see the whole body
これもよくできてます。
さらに背景を追加してみます。
プロンプト：The background of this illustration is the palace ballroom. The figure should blend seamlessly with the background. The figure should be placed in the bottom right, and should be the same size as the other figures.（このイラストの背景を宮殿のダンスホールにして。人物と背景が違和感なくなじむようにすること。人物は右下に置き、他の人物とサイズ感をあわせること。）
ちょっとはめ込み感はありますね。。。
ダンスパートナーを追加してみます。
プロンプト：Generate a picture of the woman in the bottom right dancing with the man.（右下の女性が男性とダンスしている絵を生成して。）
できました。ポーズの変更も自由自在ですね。よく見ると床面への映り込みまで再現されてます。Geminiの凄いところは「右下の女性」という位置関係をちゃんと理解できているところです。
全体を通してNano Bananaでは一貫性をよく保てることがわかりました。工夫すればいろんな編集ができると思います。