最近生成AIとは何か解説する時に、生成AIが出した文章を使って稼ぐ人が増えてきましたね。当然自分で調べていない(そしてそのまま使っていると公言している)ので、しゃべってる言葉はハルシネーションだらけで、それに対価を払って学ぶ人がいると思うと恐ろしいです。

以前だと、きちんとしなければならない部分を真面目にやってる人かどうかは、写真レベルでも顔つきで大体わかったのですが、「真面目にやっている人」風に写真を調整できる生成AIができるかもしれないと思うと、それもまた恐ろしいですね。

何でも簡単にそれっぽく理解できたり、使いこなせるようになった現在、大事なのは、「自分と自分にとって大事な人が、本当に好きな物事は何か、その物事の本質は何か」を知ることではないでしょうか。本質を知れば、手に入れるいろんな方法が浮かびます。

何でも達成しやすい世の中では「何を達成したら、あるいは何を達成しようとしている最中に、幸せ(だった)か」を思い出すこと、考えることは、重要になるでしょう。いろいろ達成しているけど、むなしさを感じる場合、ゆっくり自分を見つめ直しましょう。

見つめ直す視点として、自分はどの分野(視覚、聴覚、体感、言語等)が研ぎ澄まされているのかを知ることはヒントになるかもしれません。また、ヒト・モノ・カネ・情報、この4つの本質とは、それぞれ何なのか理解することも、ヒントになるかもしれません。

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ヒト…気持ちをモノ/カネ/情報と交換する何か
モノ…重さ/堅さ/長さなどの物理的な性質をもつ何か
カネ…自分をふくめたヒトが助け合うための何か
情報…交流/決定の手助けとなる何か


たとえば、カネの本質をわすれてしまった人で、手元の残高の数字は増えても不幸せな、いわゆる「カネの亡者」になってしまう人をよく見かけます。また、情報の本質をわすれた人は、渡した相手に「何の意味があるの?」と言われても答えられないでしょう。

また、ヒトほど気持ちをモノにもカネにも情報にも自在に変換できる存在は、他の生き物の中には(少なくとも私の感覚と記憶では)見当たりません。さて、あなたにとってそれぞれの本質は何であり、生成AIを使うことで、生み出せる意味や価値は何でしょうか。

ChatGPTやBardなどで使えるLLM(大規模言語モデル)は、@Mさんが大人気ブログで書いていらっしゃる通り、本質を知らず、処理しやすいよう細切れにされた表現(トークン)を使って、インプットとアウトプットを行っており、確率で動いています。


なので、「我思うゆえに我あり」というヒトのように、何かを思ったり考えたりはしません。何かの答えを知っている訳でもありません(確率の結果、正解になることはあります)。細切れにされた表現(トークン)を寄せ集めた表現以上のことはできません。

なので、使いどころと目的を明確にすることがとても重要になるでしょう。でないと、この文章の最初に紹介したように、うそのコンテンツを使って稼ぎ、学んだ人がそれを口コミで広げ、その人脈に頼って生きる人自体がChatGPTのようになってしまいます。

実体験を元に生きるヒトは、自分の体験と体験に対する意味付けを元に生きるので、多様性のある世界に生きることになり、他人と交流する時も他人との差が大きくなります。ヒトとしての器が広ければなおさら、お互いの学びはとても大きいものになるでしょう。

たとえば私は生成AIが大好きですが、ChatGPTを使った時の学びは大体「ChatGPTはこう使えば良いのか」ということです。大きな学びは、生まれや育ちが全然違う人との交流の時に得られます。私自身がそうですし、他の学び続ける方を見てもそう感じます。

なので、ここ、CDLEの最大の価値は、AIを学び、使い、作れることそのものよりも、AIという接点で、多様すぎるジャンルのヒトを包み込み、ブログや様々な会を通して、ふだん会わないタイプのヒトと交流できることだと、個人的には思っています。

同じ大規模言語モデルに頼りすぎて、大半その情報を元に生きる人どうしは、特に自分からそのモデルに何も入力するものがない場合、多様性のない世界に生きることになり、他の同様の人とあっても学びがないか、少ないという状態になるのではないでしょうか。

結果として、私は、イギリスの有名な研究にあった通り「大規模言語モデルがそれ自体の出力だけ受け取って学習した結果、使い物にならなくなった」というようなことが、人やある人脈の中で起きてしまう可能性があるのではないかと恐れています。

ちなみにこの文章は全て手書きで、何度も推敲しながら書きました。LLMを使わない時もさらっと書いてしまうことがおおいので、今回は脳がどんどん研ぎ澄まされていくような、久しぶりの感覚でした。読み手のあなたにプラスの何かがとどけば嬉しいです。