こんにちは!
1級FP技能士のアシまるくんです! 

第1章『あなたは最古のパソコンを知っているか?』

時を遡ること50年余り、1974年12月19日。世界最古のパソコン『Altair8800』が発売されました。それまでは研究機関等でしか使われなかったコンピューターが初めて個人用に発売されました。容量は256バイト。現代の水準からみるとあまりに低いです。

しかし、それは現代の水準と比較するからであって、256バイトは数字にすると、600桁(*1)程度。"電子計算機"の名に恥じない程度の、電卓とは比べ物にならないほどの計算スペックはあるとも考えられます。

また、当時は半導体など全く一般的ではないので、通電するorしないでデジタル世界の0 or 1を表現するのではなく、スイッチとランプの切り替えで0 or 1を表現していました。また、保存機能も特になかったので、一回電源を落とすと計算は最初からやり直しだったようです。大変ですね。 

(*1)1バイト=8bitなので、256バイトは2,000bit超。つまり、0か1を2,000か所に入力できるというわけです。なので、表現できる最大の数字は2^2,000。底が10の常用対数をとると、log_10(2)がだいたい0.3なので600桁、というざっくり計算です。もちろんすべてのbitを計算のためだけに使えるわけではないので、実際に扱えるのはもっと小さい桁数かと思いますが。


第2章『マジックナンバー256』

さて、2進法とは0と1だけの世界です。

我々が普段使うのは主に10進法と呼ばれるもので、10個集まると次の位に進みますね。
一の位、十の位、百の位、千の位、...と進んでいきます。億や兆を超えて、どんどん大きくなっていくと、恒河沙や那由他(*2)などの単位になってきますが、これらは仏教用語であることが広く知られていますね。

時間は60進法ですね。60秒が1分に、60分が1時間に。でも、24時間で1日なので、単純な60進法ではありません。あと、面白いのは、"ダース"ですね。12個集めて1ダース、12ダースで1グロス、12グロスで1グレートグロス、こちらは12進法です。グレートグロス(*3)なんて、思わず人に話したくなる面白雑学だなんて思います。

2進法は、1の位、2の位、4の位、8の位、16の位、…と進んでいきます。各桁は0か1、すなわち、あるかないかだけで表現できるので、両手の指10本で1023まで数えることができるといった話は有名ですね。

1バイトは8bitなので、2進法でいうと8桁の数、すなわち、0~255の256種類の数字を表現することができます。それを念頭にレトロゲームを見てみると、例えば、スーパーマリオブラザーズ。キノコを採って大きくなったマリオ、あれが256ピクセルのようです。そしてドラゴンクエストのステータスは上限が255。また、ポケモンには基礎ポイント(*4)という隠しステータスがありますが、これの上限も255。1バイトの情報量をキーにしたものがいろいろと確認できますね。 

(*2)恒河沙や那由他ですら、我々の日頃の生活から考えると途方もなく大きな数字ですが、"巨大数"と呼ばれる世界からするとこれらですら些細な数字です。巨大数の世界はそれはそれで面白いので、また機会があればお話しします。ちなみに、"さらば青春の光"のコント"ぼったくり"には『恒河沙!』という、思わずニヤッとしてしまうツッコミがあります笑
(*3)ポケモンの"メタグロス"ってここから来てるのかな、と思ったら違うみたいです。2体の"メタング"が合体した姿らしく、その"メタング"は2体の"ダンバル"が合体した姿らしいので、ダンバル4体分でした笑
(*4)現代でこそ、基礎ポイントの上限が255というのは対戦勢での常識ですが、実は初代ポケモンの基礎ポイントの上限は65535(256*256-1)なんですよね。途方もない育成作業が必要やったんや...


第3章『2進法で広がるデジタルワールド』

 さて、前章で触れたとおり、2進法は"あるかないか"だけで表現できるので、この考え方を使うことで解ける問題が多く存在します。2進法の考え方を利用した面白い論理クイズもたくさんありますね。

例えば、こういった問題。


この問題(*5)は、2進法を理解することで、一見直観に反した結果も納得することができます。

そして、こちらの問題。
 
こんな摩訶不思議な問題ですら2進法の力があれば解決することができます。解説が理解できるようになれば、相当な2進法有識者と言って差し支えないでしょう。ちなみに、自力で解けた方がもしいらっしゃれば、稀代の天才かと思います。 

2進法って面白いですね。ただ、学生時分に塾講師をしていた際に、生徒から『2進法って本当に意味が分からない。』と言われたことを思い出します。たしかに、コンピューターは2進法の世界で生きてるとはいえ、我々は普段10進法の世界で生きているんだから、知ったこっちゃないですよね。その子はポケモン対戦勢だったので、基礎ポイントの話で2進法を解説したら、とても満足してくれました。芸は身を助けた瞬間でしょうか。 

2進法を0と1だけの意味不明な世界と思うのか、そこに世界の広がりを見出すのか、でその味わいの豊かさは全く変わります。別に2進法に限った話ではなく、世界の広がりを見出せた瞬間が、勉強していて幸福を感じる瞬間かもしれませんね。  

(*5)毒入りワインと奴隷の問題、として広く知られています。ただまあ、現代だと表現が倫理的に厳しいので、こっちの表現の方がいいですね。