5/12までAI EXPO 2023春が開催されましたが、その翌日の5/13に東京大学にて「五月祭」という学園祭が行われました。
その五月祭の安田講堂にて、対話型AI「ChatGPT」を裁判官役とした、模擬裁判のイベントである「AI法廷の模擬裁判」という発表があり、非常に興味が湧き行って見て来ました!
当日は大雨でしたが、会場1時間以上前から行列が出来るという盛況ぶり。NHKの取材も来ていて、その行列を撮影していました。
発表前にも沢山ニュースで取り上げられていました。世間の注目度が高い事が伺えます。
安田講堂内は写真撮影不可ですので、内部の写真はありませんが、大変ありがたい事にYouTubeでその映像が全て公開されています!
このイベントの各シンポジウムも公開されているようです。
@Yano さんからの情報で、プロンプトも公開されたみたいです!
法律については全くの素人ですが、裁判の結果は恐らくもうコレしかないよね?という感じで分かりやすいものでした。しかし…事前の判決予想のアンケートではそこそこ意見が分かれましたので、やはり人間が判断するとなると、事実以上に自分の感情が入ってしまうのではないか?とも感じました。
AI裁判官についてはAIへのプロンプトを考えた方が「判例や学説は覚えさせず、あくまで法律の条文に書いてあることをデザインに組み込みました。人の書いた学説などを入れてしまうと、人の基準でAIを評価することになり、束縛する可能性がある」とおっしゃっているように、かなり公正さには気を遣っていたようです。
実行委員会代表の岡本さんは「現在は日本国内の裁判官の人材資源が圧倒的に枯渇していて、裁判官への福利厚生には非常に問題がある状態です。民事や刑事の比較的簡素で分かりやすい事件にかんしてはAIが導入できるのでは」と語っておられます。また、シンポジウムでは「AIが出した判決に人が納得出来るのか?」という問題の指摘もありました。
私の個人の意見としては、まだまだChatGPTの性能の面で、裁判官を行うには早い気はしますが、特定の主義主張を全く感じさせない問いや判決を考えると、公正ではないかと感じ、近い未来としてはAI裁判官は意外とアリじゃないのかな?とも感じるほど良い試みに感じました。
ただ、これが行き過ぎると、アニメの「PSYCHO-PASS」のようなデストピアになってしまうのではないか?という心配もあります。
「どのようなプロセスを経たとしても、人生の決定権をAIに渡す事は危険極まりない」という意見もいただき、PSYCHO-PASSの世界を考えると確かにその通りだと感じます。やはり最終的な決定権において、人間が介入しないというのはあり得ないという気は確かにします。
私の妹が弁護士なので、せっかくなので動画を見てもらい弁護士の視点としての感想を聞いてみました。下記の通りです。
結論はそうだろうと思う。根拠もまぁ概ね良いんでは。やたらと書記官が裁判官のように仕切っているのが気になる!
弁護人、検察官の尋問は結構飛ばしてしまったけど、裁判官の質問で抽象的な質問が気になったかな。証人よつばに対して、「第三者が関与していないと考える理由は何かあるか?」みたいなよくわからない質問とか、特に、結構大事な所だと思うのに、被告人に「共犯者との親密さはどれくらいか」とか…
気になるレベルなら、実行犯とされる人の尋問が無いのはありえない、とか、実行犯の裁判もあるのに正当防衛の可能性とか言うかな?とか。
結論としては、結構楽しめたとの事でした。
皆さんは、どのように感じましたでしょうか?