昨日、CDLE宮城のイベントに参加し、医療TECHの勉強をさせていただきましたので情報共有させていただきます。(サムネはシステムから提供されたフリー画像です)

仙台X-TECHイノベーションプロジェクト2022-2023にて、最新のAI利活用事例などを学ぶオンラインセミナーが 実施されました。
第一弾は、東北大学からAI・データ活用の最前線でご活躍のお二人の先生より、最新の研究内容や社会実装事例について伺うことができました。

最初のご登壇はCDLEでも特にご著名な大学院情報科学研究科教授 岡谷貴之先生でした。
しかし、ここcafe-medical+ では、勇気を持ってあえてご紹介を割愛させていただき、
次にご登壇された大学院工学研究科教授の佐野大輔先生にフォーカスしたいと思います。

佐野先生のお仕事は、主に都市環境におけるヒト健康リスク評価に関するご研究で、下水ウイルス情報を活用した感染症適応社会の確立に向けて、ご活躍されております。

それは、今なお、大きな混乱を世界中で巻き起こしている新型コロナウイルスによる感染症だけでなく、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、デングウイルス等、様々な病原ウイルスによる感染症が全世界で多大な被害を生じさせられています。
これらのウイルス性感染症を制御するために、感染流行期における集会の自粛やうがい・手洗いの徹底、蚊などの媒介生物の除去等が衛生学的対策として取られますが、その対策を発動するための根拠として、都市下水に含まれる疫学情報と、AIを活用することによって、社会貢献への大きな成果を上げておられることがわかりました。
都市下水には医療機関を受診する患者のみならず、不顕性感染者からの糞尿も含まれるので、我が国の都市部のように下水道システムが発達した社会であれば、下水処理区域内の住民が感染し糞尿中に排泄した病原体が全て下水処理場に流れ込むこむことから、そこでのデータ利用によって情報の質が確保され、精度の担保になると考えられております。

以下は佐野先生の東北大学・水環境デザインコース環境水質工学研究室です。


こちら、下水ウイルス情報発信サイトを設けられ、日々地域社会に情報発信いただいております。

とりわけ、注目度の高いCOVID-19流行予測、ノロウィルス濃度情報を、日々発信されるに止まらず、希望者にはダイレクトメールで、お手持ちのPC・スマートフォンで誰でも無料で下水ウイルスの情報が受け取れ、ウイルスの流行を事前に察知して予防に役立てていただくような啓発も実施されておられます。


この下水に含まれる新型コロナウイルス量から仙台市内の1週間の感染者数を予測する研究はかねてより注目を集め、各メディアにて多数掲載されました。まさに今現在、全数把握から定点観測の議論が出る中、ますます注目される技術として、さらにクローズアップされております。

今回、当イベントの基調講演「東北大学の先端研究と社会実装事例を学ぶ」でAIの社会実装の実例と重大な社会的な課題や関心事案に対する地域拠点研究機関としてのご実績を拝聴できました。
さらにトークセッション「仙台発!AI・データで社会を変える!」の場ではCDLE宮城のリーダー・マスダックさんにCDLEメンバー目線からの質問で深掘りいただくことで、より一層理解を深めることができた大変意義深い機会となりました。

今後もこの企画は継続して行われますので、皆様のご興味の領域では有意義な講義を受けられることになると確信しております。
次回以降のご開催にも是非ご注目ください。